河田皓史『働く人が減っていく国でこれから起きること』(朝日新書、2026年)を読みました。

筆者は元日銀の職員で、現在はみずほ総合研究所調査部に所属するエコノミスト。ご本人も、独身単身者でFIREを目指しているとのことで、そういった視点からもなかなか面白いテーマが書かれています。
私が印象に残ったところを備忘録的に残します。(必ずしも本書の主張の本丸の部分ではないかもしれませんが)
個人としても専門性を高める意識が必要?
「働かないおじさん」という言葉を聞くようになって久しいですが、そのような従業員が生じるのには日本企業の幹部選抜のあり方が影響を与えているのかもしれません。日本企業は、幹部候補の選抜のために20年以上も社員を競わせます。
しかしながら、幹部になれなかった社員は、エンゲージメントを失い、転職の難易度も上がり、転職の可能性が低いがゆえに自社に対する交渉力も失い、「働かないおじさん」化してしまうようです。(第一部第一章)
一個人としてみても、エンゲージメントの低い状態で働くことはなかなかつらいものがあるでしょうし、できることならば高い評価を受けながら働く方が好ましいと思います。
そのためには中高年の薄い転職市場においても評価される専門性や技能などが重要になってくるのかな?
本書では直接語られているわけではありませんが、こういった全体の構図を踏まえて、個人としてどうするかという視点が重要だと感じました。
人口3千万人台の日本
国立社会保障・人口問題研究所の長期予測によれば、現在よりも出生率がさらに低下するという前提に立てば、2110年代には人口は3千万人台まで減少するとのこと。(第二部第三章)
仮に3千万人で今と同じ経済規模を維持するには、1人あたり4倍の労働生産性が必要になる計算です。著者が提案する解決策は、無駄な会議をやめる、無駄な忖度をやめるなどを通じて、生産性を高めていくという、一見、地味なものです。
さらに具体的には、「毎月10分の無駄をなくす」ことを提案します。こういった問題に、劇的な解決策はないのかなと思わせてくれます。私も目の前の取り組みをしっかりやっていこうと思いました。